美術道具市場のしくみ
美術道具市場とは
日本全国あらゆるところに骨董屋さん、道具屋さん古美術店があります。
お寺の軒先でござを広げ珍しい掘り出し物を売る商人、大きなビルでピカソやゴッホを売る商人、たくさんのタイプの商人がいますが、商品を仕入れる方法はよく似ています。それは美術道具の市場(オークション)です。
美術品の相場
北海道から沖縄まで、毎日どこかで道具の競り市が開催されています。商人のほとんどがそこで美術品や道具を競り落として自分の店に並べます。
もちろん直接売りたい人から買うこともありますが、そう頻繁にありませんので市場は商人にとって一番の仕入先となり、また買い取った美術品で自分の店で向かない物は、その市場に出して、また違うものを買います。
中には市場間だけで売り買いをし商いをしている商人もいます。だからすごく適正な相場というものが美術品にはできています。
結構値段のつけ方がいいかげんのように見られますが、びっくりするほどきちんとした相場が存在します。
一枚の絵が破格の値段で落札
最近では個人で美術品の処分を直接市場でする人も増えていますが、ひとつのいい方法だと思います。ただし多くの場合、手数料として10%から25%が必要です。
最近ある人が、持っていた一枚の絵が1万円ぐらいだろうと思っていたそうですが、市場(オークション)にだすとその絵がゴッホとわかり、6,600万円の値がつくというめずらしいこともありました。
これは特別な例ですが、公開市場では一枚の絵に1万円つける人から6,000万円つける人までいたので一番高い値で売れたということです。非常にまれなことですが、もし市に出さなかったら、その絵はずっとただの絵で終わっていたかもしれません。
美術品の売買手段
最近インターネットオークションでいろんなものが処分されいていますが、たしかにいい方法だと思います。細かくジャンルを分けて一番ほしがる人たちに競り合い入札してもらうのですから。
しかし美術品の場合画像だけではその美術品の持つ力や雰囲気が100%伝わらず、いろんなリスクを差し引いた値段の入札にしかなりません。完全に形の決まった版画やブランド美術品は別にして、その物の持つ値打ちいっぱいいっぱいまでの値段は付きにくいと思います。
もし美術品を処分されるときは「美術道具市場」の利用方法もご検討下さい。
鑑定とは
骨董品、古美術品、美術品買取は本当は難しいものなのです。
いちがいに骨董物といえども、書画、武具、古民具、古布、茶道具、陶磁器、仏教美術、玩具、などさまざまなジャンルがあり、その中でも、書画を例にすると、古画、新画、書、浮世絵、洋画、日本画、版画、仏画、など専門分野が細かく分かれています。
それぞれの世界にエキスパートが存在し、それぞれに客が集まります。あらゆる分野と提携し、最高の行き場所(適正な値段)を提案するというのも、我々の大切な仕事の一つです。
一人の美術商が全てのジャンルの品物に対して、簡単に値段をつけることができるというのは、なかなか難しいことかもしれません。
そういえば、人気番組のなんでも鑑定団にもそれぞれの専門分野を持つ鑑定士さんがたくさんおられますね。